マグロの試食会
平成21年3月13日清水商工会議所主催、第50回記念産学官講演会・交流会が開催されました。当日1階多目的ホールでは、東海大学産学連携共同研究成果発表パネル展示が行われ、クロマグロ陸上養殖プロジェクト成果もパネル展示されました。講演会後の交流会では、クロマグロ陸上養殖プロジェクト研究成果物(マグロ)の試食が行われ、参加各団体・企業の方々から臭みが無く美味しい、早期の事業化を願うと好評を頂きました。
平成21年3月13日清水商工会議所主催、第50回記念産学官講演会・交流会が開催されました。当日1階多目的ホールでは、東海大学産学連携共同研究成果発表パネル展示が行われ、クロマグロ陸上養殖プロジェクト成果もパネル展示されました。講演会後の交流会では、クロマグロ陸上養殖プロジェクト研究成果物(マグロ)の試食が行われ、参加各団体・企業の方々から臭みが無く美味しい、早期の事業化を願うと好評を頂きました。
世界初のマグロ陸上地下海水養殖
安全・安心、水銀禍、細菌禍も少ないクロマグロ養殖を目標
WHA㈱(萩原弘之代表取締役社長)は、水槽の水温が変わらず、魚には水銀の影響も細菌の影響も少ない、世界でも画期的な陸上地下海水養殖システムを駆使し、安全、安心でおいしいクロマグロを目標としている。今、海洋で獲れる天然マグロは年々約30%減少しているばかりか、水銀や細菌に汚染されていて、警戒を促す論文も発表されている。WHA社は、直径25㍍の水槽の建設を計画しており、体重30㌔以上のマグロを養殖すると共に、逆に海へ稚魚を放流してみたいと、山本明人専務は語る。
海面養殖では天災、人災、糞害も。
―世界的に魚を獲りすぎ、中には絶滅の危機にあるといわれている魚もあります。クロマグロはどうなんですか。
山本 絶滅危惧種には指定されています。ただ、獲りすぎだとはいわれていますが、水産会社などの冷凍庫には結構備蓄されていますよ。わが国では今後、ヨコワ(稚魚)は体長約30㌢、体重約200㌘のものも獲りにくくなると危惧されています。海上では現在、マグロはたくさん養殖されていますが、その海上も人災、天災などによって被害が出たり、台風によって真水が流れてきて、水がにごって全滅したりするようなことが、往々にしてあると聞いています。
ただ海面養殖の場合、マグロが死ぬだけでなく、逆にマグロの糞尿で海岸を汚してしまうこともある。要するに海を汚してしまえば、マグロ自体も汚染されてしまうというのが海面養殖の現状です。
地下海水を使った陸上養殖で、安全、安心。
―ということは、陸上養殖の方が安全、安心ということですか。
山本 はい。私たちはそこに目を付けて、陸上で養殖しようということにしました。陸上でやるということは、最大の目的が雨・風にさらされない、台風が来てもエサがやれる、真水が流れてきても全く影響はない、完全濾過された地下海水を使う事により、影響の少ないマグロができるということです。そういう特長があるから、初期投資はどうしても大きくなるが、あとのリスクは少なくてすみます。
例えば、水槽の中に何匹かのマグロがいるとします。これらのマグロは毎日エサを食べているが、それは網からくぐり出た小魚もあれば、汚れた水を毎日呼吸している魚もある。つまり、これらのマグロは、全部同じエサを食べてはいないということですね。
AというマグロとBというマグロを比べれば、当然食べた餌によって水銀量に違いがでてくる。ところが私たちの場合は、マグロが100匹いるとすれば、100匹同様のマグロ養殖が可能になるのです。陸上養殖には、そういう利点がある。そうなることを目指して、私たちは頑張っています。
世界のマグロの60%を日本が消費。
―日本のマグロ需要の現状は?
山本 今、世界の60%を日本が消費しているといわれています。かなりの消費率です。中でもクロマグロは、海外から飛行機で輸入してでも食べるという高級食材です。それだけにクロマグロをうまく養殖して、しかも空輸など使わずに、口に合う大きさにして提供できればいいなと考えています。
天然マグロは毎年30%も減少。
―天然マグロの漁獲は減っている?
山本 毎年30%程度減少しています。具体的には、海域ごとにそれぞれ前年比で約30%ずつ減っている。だから、全体としても減少しています。それによって値が上がると困るんですが、今のところはそのような兆候は見られないようですね。
「地下海水には多くのメリット」と秋山教授から示唆。
―WHAと東海大学とが共同研究している「地下海水を利用したクロマグロの陸上養殖」は、世界でも先端的な研究だとか。
山本 当社は東海大学と産学連携しており、東海大学に最初に私が陸上マグロを持ってきたとき、海水ではエネルギーコストがかかると言われました。エネルギーコストというのは、マグロの水槽の温度帯を21~23℃に保つためのコストのことです。
となると、冬は海水の温度を上げなければならず、夏は温度を下げなければならない場合があるかもしれない。つまりタンク内の海水を、クールダウンさせたり、ヒートアップさせなければならない。こうなると、海水温度の上げ下げ、エサ、さらにはポンプで海水を汲み上げるにもエネルギーコストがかかるので、陸上で養殖する利点が少なくなってしまいます。
そこで東海大学の秋山信彦教授(当社顧問)が、地下海水は一年を通じて一定の水温であるという利点があること、また地下海水には酸素がないので好気性細菌類もいないメリットがあると主張された。つまり、細菌を殺すコストも不要になるということで、地下海水が養殖には最も適していると言われたのを契機に、実施することにしました。クロマグロ陸上養殖では、当社の研究が最初のはずですよ。
育成にコストがかからない30㌔マグロ。
―マグロをどのくらいの大きさにするのが理想ですか。
山本 体重100㌔、200㌔のマグロというのは、専門家でないとさばききれませんが、大体30㌔であったら、どこの大手スーパーさんでもさばける大きさではないでしょうか。だから私どもも、30㌔の大きさを目指している。それ以上飼っていれば、コストがかかりすぎてしまいます。
クロマグロ養殖でWHA社がノウハウ伝授。
―クロマグロ陸上養殖プロジェクトが平成20年度、「中小企業経営革新支援法」で、県知事承認されましたね。
山本 これは、当社が県の内外でマグロ養殖をしたい人の顧問になって、水槽を作ってあげるという契約をする支援法なんです。だから、「ウチも陸上でマグロ養殖をやりたいけど、やり方を教えてください」という打診があったら、私どもがそこで立地調査して、できるようなら「こういう水槽で作ったらどうですか」とアドバイスし、契約するというものです。その条件としては、地下海水が取れることです。それに、陸上でやりたがる理由の一つは、漁業権がいらないからです。だから、一般企業が参入しやすいんですね。
25㍍水槽で親魚から孫魚まで大量に育てたい。
―WHAとしてはこれから、どのような研究を目指している?
山本 将来的に第一の目標は、直径25㍍の水槽で体重30㌔以上のマグロを養殖し、そのマグロを親魚まで育てて、子供を産ませ、孫まで育てたいということですね。それを大量に出荷できれば言うことはありません。
WHA株式会社 概要
● 所在地/静岡県焼津市西小川1丁目3番地の10
TEL.054-620-5555
● 研究所/静岡市清水区折戸3-20-1(東海大学海洋学部10号館117号室)
TEL.054-337-1110
● 設 立/2005年11月
● 資本金/5,000万円
● 代表者/萩原弘之
● 従業員数/4人
● 事業内容/マグロ陸上養殖技術、各種機器開発
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